菱屋カレンブロッグ

【谷町おもしろ履物店のblog】

類似品コピー案件一つ解決

類似品コピー案件一つ解決

 EVA式草履は偶然できた。1999年頃に取り扱っていた軽装履きのスポンジ台をEVA素材の台に変えた。2001年のIFFで発表した。もう20年前だ。

 発売から数年経ってコピー品が出てきた。意匠権や実用新案を取得しているわけではないので見知らぬコピー品メーカーを「訴えてやる!」ことはできないが、狭い業界なんだし一声かけてくれたら共同開発するなり対策できたのに、しらばっくれたり、開き直られると「ちょー待てよー」という気分になる。

 そんな中、マナーの良い類似品メーカーさんが現れた。中国でEVA式草履を生産したいのですがいいですか? 技術的な指導も不要です。こちらの生産都合で対処します。年間契約で使用許諾フィーもお支払いしますという低姿勢なアプローチを受けた。

 少し時間をいただいて考えた結果、「菱屋」「カレンブロッソ」という名称は使用不可、その代わりzori designer Hirotaya,Snob認定という名称の使用で落ち着いた。

 その後、2~3年経って先方から何も連絡がないので担当者にメールすると「すいませんワタシその会社退職したんです。だから今どうなってるかわからないんです」と言われました。やっぱりコピー品メーカーにマナーを期待したのが間違いだったかと反省しながら、その際伝言した社長からの連絡を待ちました。

 もちろんなるはずの電話もならず、しびれを切らして連絡すると「え~っと数年前から売れてないです。倉庫に在庫があります」と返答するので「そういうことではないでしょ。年間契約も含めてどうなったか聞きたいんです。今日明日ちょうど東京にいるので伺っていいですか」とアポ取り。

 打ち合わせ当日。コロナの話などで打ち解けながら本題へ。まずは退職した社員のことも含め連絡ができなかったことの謝罪があり、コロナの影響で納め先が倒産したのが大きかった。3回目の発注を中国にしたとき納品価格の値上げを依頼された。数千足単位の納品に対し不良品が多かった。という理由で履物生産事業はあきらめたとのことでした。

 それならいっそう当社で生産しましょうかと逆提案もしてみたが、それに関しては企画時点でうちの商品価格よりも低価格ゾーンマーケットへの勝機が進出ポイントだったので、そこを履き違えることはできないという最後はやはりマナーの良い問屋さんでした。

 一言声かける、一言わびる。ちゃんと伝える。やはり大事なことですよね。

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